昨年12月に開催しましたオンライン作品展『憶』で出展しました、自作のご紹介パート2です。
本展では、新型コロナ禍で体験したり、感じたことをテーマにした作品を並べたのですが、今回の作品はその中でもかなり直接的に表現したものかもしれません。
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作品2『XBB』
この三年間で、社会が学んだことは「正しい感染症との向き合い方」ではなく、「深刻な事態への目のつむり方」だったのではないかと思う。
当初500人の陽性者でも、国をあげての大騒動であったのに、今は10数万人感染の報道が連日流れても、世間は「コロナ前の生活」を無理やり押し通そうとしている。
PCR検査数は未だに少ない…どころか、もう本当の数がわからない状態だ。加えて、政府はこの期に及んで医療への支出を絞ろうとまでしている(某国家事業の時には「医療従事者の方々を励ます!」という名目で、飛行機まで飛ばしたのに、だ)。
そういうイイ加減な体制を変える機会は、このかん、何度もあったのに、選挙は低投票率のままだし、現状に怒りや意義を唱える声も、その深刻度に比して小さい。
最近、よく耳にする「コロナがおさまってきた」というのは本当なのか?
それは病気を抱えた人やその家族を世間から切り離した見方ではないのか?
それはコロナに罹り、後遺症に苦しむ人を無視した発言ではないのか?
これが「ウィズコロナ」なのか?
この「ウィズコロナ」とやらは、我々が本当にたたかわなくてはいけない相手を、野放しにしていはしないか?
コロナ禍は、続いている。
*タイトルの『XBB』は新型コロナウィルスCOVID-19オミクロン株の亜系統で、俗に『グリフォン』と呼ばれていました。なお、グリフォンは神話上の生き物で、上半身と翼が鷲または鷹で下半身がライオンをしています。