この夏、日本弁護士連合会が主催した、日本国憲法施行70年記念企画「憲法ポスター展~あなたの願いをポスターに」に応募しました。
つい先日、その結果が発表されまして、僭越ながら「入選」をいただきました!
憲法というもの、すごくおもしろいと思っています。
一定の規則をつくって世の中を制御する、というのは、「法律」も「憲法」も同じだと思うのですが、
「法律」の方は「上」から「下」に流れていますね。
今でこそ、自分たちの権利のひとつ(選挙権)があって、自分たちは誰を「上」(もう少し突っ込んでいうと、自分の暮らしを信じて任せる人)にするかを選べるのですけど、その昔、そういう制度のない時代は「おバカな支配者」でも「強欲な王様」でも「上」になれましたから、とんでもない「法律」が流れてきて、「下」に位置している一般市民の生活がグジャグジャになることが沢山ありました。
そこで、問題解決がはかられる訳ですが、ここの発想がスゴイ。
規則の流れを、「下」から「上」に逆さまに、まさに「逆転の発想」をした訳でしょう。
「上」にいる人たちを、やっぱり規則でしばって、好き勝手させない!というこの「立憲主義」っていう考え方は、人間の大発明のひとつだと思うのです。そうして自分たちの生活を守って、世の中の方向性を、よりみんなで決められるようにしたという…
実際、その方法で、紆余曲折はありながらも、もう何百年も続けてきている国もあるのですから、
なかなか信憑性のある、したたかなやり方を、人間は見つけたものだ、と関心してしまうのです。
しかも、日本も同じ方法をとっていて、それは今の自分の生活を根底から形作っているのですから、こりゃ、もう胸が熱くなる話!。
もうひとつ注目したいのは、憲法が「言葉」で書かれているということなんです。
それぞれの言葉のもつ意味合いや、その組み立て方によって、私たちの「生活」を、「実際」に形作っている。
普段、生活していると「言葉にできない」ことなんて山のようにあるのですけど、
その「言葉」を使って、とらえどころのない、世の中に切り込んでいって、
「幸せ」とか「自由」とか、世の中の「正」の方向にあるものを何とか表して、具現化し、
「戦争」とか「破滅」とか、世の中が「負」の方向に陥るのを防ごうとしている。
その試みたるや、「人間の賢さ」の凄まじさがブシュっ!ブシュっ!と吹き出ているようです。
そんな憲法を読んで、その言葉の組み立て方や、選び方をみると、(それこそ、時代や国を超えて)人間が積み上げてきたものの分厚さが垣間見えて、ブルブルと震えが走るのでした。
(「日本国憲法は数日間でできたから、突貫工事みたいなものだ」という人がいるけれど、それは、全然違うと思うなぁ…)
「立憲主義」にしろ、「日本国憲法」にしろ、この先、もっと上手い方法を、人間はきっと見つけるのでしょうけれど、2017年現在を生きる身としては、この価値観を守っていきながら、もっともっと、追究していきたいと思います。
今、語られる「憲法」の話は実に軽薄なものが多く、また、「人間の知恵」に対する敬意が払われていない議論も多く、そんな中でこういうコンテストに応募して、一発撃ち込めたのは、とても貴重で嬉しいできごとでした。
コンテストを開いてくださった主催者の方々、
また、コンテストに「これ、応募しないとアンタじゃないよ!」とまで言って勧めてくれたOさん、「是非に!」と紹介してくれたMさんにも感謝です。
10年後、コンテストが開かれたら、今度はもっとパワーアップして、また憲法に挑みたいと思います!
*全体の結果発表はこちら! 他の素晴らしい作品もご覧頂けます。
→ https://www.nichibenren.or.jp/news/year/2017/171011.html